だし名人免許皆伝講座3
削り節の量と火加減が風味を豊かにするコツ。
だしをとる時に大切なのは、まず、けずり節をたっぷり使うことです。
水の量に対して4%~5%の量が基本ですが、ちょっと多いかなと思うほど大胆に入れましょう。
また、たっぷりのけずり節を入れたら、けずり節が踊らない程度の火加減にし、ぐらぐらと煮立てないことです。煮立ててしまうと、風味が落ち、せっかくのだしが台無しになってしまいます。
関西風だしのとり方(4人分)
(1) 水1.5リットルに対して7.5グラムのだしこんぶを用意します。昆布は、ぬれぶきんで砂を落とし、前日から水につけておきます。
(2) (1)を中火にかけ、煮立つ寸前にこんぶを取り出します。
(3) 沸騰したら、60~75グラムのけずり節を入れます。
(4) 火を弱火にします。
(5) あくをすくい取りながら、2~3分、静かに煮出します。
(6) 火を止めて、けずり節が鍋底に沈むまでおきます。
(7) ぬれぶきんまたはクッキングペーパーを敷いたアミカゴでこします。
関東風だしのとり方(4人分)
関東のそばだしには、枯節(カビ付節)の厚削りがよく使われます。
長時間じっくりと煮出すことで、「かえし」に負けない濃厚なだしに仕上げるのがポイントです。
辛汁用にはすっきりとして上品な味わいの枯本節厚削りが向いていますが、甘汁用にはコク出しに枯サバ節厚削りや枯宗田節厚削りをブレンドしてもよいでしょう。
【辛汁用】
水:1.5リットル 鰹節:120~150g 昆布:5~10g
【甘汁用】
水:1.5リットル 鰹節:75~105g 昆布:5~10g
(1) 水1.5リットルを鍋にはり、だしを取る前日から昆布を入れておきます。
(2) (1)を中火にかけ、煮立つ寸前にこんぶを取り出します。
(3) 火を、弱火から中火の火加減に落として、分量の鰹節を投入します。
(4) 丁寧にアクを取りながら、20~30分程度じっくりと煮出していきます。
(5) 火をとめて、キッチンペーパーやさらしでだしを漉したら完成です。
だしの保存方法
だしやめんつゆをストックしておくと、いざというときに重宝します。
冷蔵なら4~5日、冷凍なら3週間程度もちますので、だしやめんつゆを多めにとっておき、いつでも使えるように保存しておきましょう。
冷蔵の方法
ペットボトルまたは止め口つきの袋に入れて冷蔵庫で保存します。
再び煮立て冷蔵すると、さらに2~3日もちます。
冷凍の方法
製氷皿にだしやめんつゆを入れて凍らせ、カチカチに凍ったらポリ袋に移し、冷凍保存します。
冷凍だし、めんつゆは、電子レンジまたは小鍋で解凍します。